我が家には、生後6か月の子猫がいて、わたしが将棋の本を読もうものなら寄ってきて邪魔をし、将棋盤に駒を並べようものなら手(前足)で駒の並びをぐちゃぐちゃにする。わたしが将棋ウォーズで初段になれず未だに1級に留まっているのは、この飼い猫のせいではないかと密かに思っている(ほんとは100%自分の実力だが)。
その子猫、わたしが先日テレビでNHK将棋トーナメントを見ていたところ、テレビが置いてある台にちょこんと座って、何やら真剣にテレビ番組に見入った。先手玉をじっとにらんでいる。
矢倉のように左側ではなく美濃囲いのように右側ではなく、先手玉が真ん中にいるのが気になっているのか。わたしも最初にそのような位置に玉を持ってこられたときは少し驚いたぞ、子猫よ。
そして早くも投了、負けましたの図。
もしかしてわが子猫は人工知能(AI)よりも先が読めるのか。そんなわけはなく、子猫はテレビ画面の中で動くものが大好きなのだが、あまりに駒が動かないものだから飽きてしまったからだろう。この後、棋士が素早く動かす扇子に興味津々、夢中になった子猫だった。